遠方から

諏訪で太極拳を教えはじめてもうすぐ10年になります。

私の伝え方・教え方はひとつの型(套路)を最初から最後まで伝え終わるまで時間がかかってしまいます。内功を育て套路に流し、修正箇所は癖になる前に…と対応していると時間が必要になりますね。私が学ばせていただいた時も同じ様子…いえ、もっと時間をかけ粘り強く育てていただいたと記憶していますが今はスピードの時代のようで、現在の日本の太極拳界での一般的な教え方・習い方とは方法と違うこと多々のようです。

”スピードの時代”というのは太極拳に限らずなんでもかんでもその風潮があるようで、例えばヨガや治療なども未経験の方も数ヶ月の講習だけで実力を測る試験もなく指導者になれたり施術できるよう何がしかの協会が免状をだしたり…そんな状況になっていることもあるようですね(もちろん一部だけの事と思いますが)。
自分に向き合い続けやっと身につけられる事柄、また人に影響のある事柄に関して果たしてそれでいいのかなぁ?形だけ模倣するのは身についたと言えるのかなぁ?と感じてしまうこと多々あったりします。

そんなふうに考えている私のレッスンはやはり時間がかかってしまう方法しかないのでしょう。なのでやはり生徒さんが劇的に増えることはないのかもしれません。そんな調子の私についてきてくださる生徒さんには本当に感謝しています。

閑話休題、つい先日、私の生徒さんのなかで最も遠方(南関東)にいる方が諏訪にきてくれてレッスン2つに参加し、翌朝も一緒に練功していってくれました。

彼との出会いは私の大切な武友、伊与久先生を通しての席でした。
私自身の学びの方向・性格・実力から武術性にはやや欠けていますが柔らかな動きが気に入ってくださって、僅かに行えた指導と資料を元にコツコツと練功を続けてくれています。

出会った当初は彼が希望してくれた”生徒になりたい”という気持ちに簡単には答えられませんでした。理由は彼自身がとある古流空手の実力ある指導者であること、遠方で指導が行き届くのかという疑問、そして何より出会った場…伊与久先生と私と彼の縁…からです。

ですが普段会えないぶんSNSを通してたくさんの質問をしてくれたり、自身の動画を送ってくれたりしまして、その熱心な姿に心打たれ生徒として認めないわけにはいかない…というかもう伝えたくなってしまいますよね。

「〇〇を知りたいから教えてくれ」ではなく、全てを受け入れることを覚悟してくださったら答えないわけにはいきませんもの。

とはいえやはり言葉で伝えられる限界は低く…会って伝えるというのは力あることだな〜としみじみと感じていました。なのでこうして来てもらえることが嬉しくて少し多めに課題や情報を渡してしまったかもしれません。混乱しないことを祈りながら翌朝見送りました。

下の写真はその際に撮ったものです。ふと手を出した時の指の置き方にもこれまで学んできたもの、その際大切にしてきたこと、そしてこの瞬間にも何をどう感じているのか…等々色々なことがみえて面白いですね。もちろんどちらが良いとかそういう話ではありません。

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彼は上記したようにある古流空手を熟練したうえで更に武道を追い求め、中国の武術との出会いも多々あり研究を続けてきました。なので何気ない動きの細やかな部分や手を触れた際の勁の方向がしっかりと武術のそれで嬉しくなりつつ私自身も勉強させてもらいました。

こういう生徒さんとの出会いは10周年のプレゼントかな?と思ってしまいますね(ちょっと大袈裟ですかね?笑)
追いつかれないよう、更なる深みまで伝えられるよう、私自身も更に練功し成長していきますので一緒に練功を続けていきましょう。遠くまで来てもらえて嬉しかったです。

これまで私の縁はどちらかというと健康面で意識の高い方との繋がりが多いですし、これからもそうだと思います。実際何をするにも健康でこそ取り組めるのでとても大切な事柄になりますね。

健康・興味・武術…等々、太極拳へ興味をお持ちの方はぜひ飛び込んでみてください。
特に朝活は気軽に参加いただけると思うので利用していただきながら気軽にご相談いただくのが良いかと思います。

一生飽きることなく楽しめる深き世界です。
一緒に止まること無く、でも急ぐことも無く身につけていただけたらと思います。